糸魚川市の本町通り、雁木(がんぎ)の続く商店街の中の倉又茶舗に生まれました。囲炉裏端で本を読みながら育ち、本好きが高じていつのまにか物語を書く側になっていました。
赤いピアノを背負って青海町(現糸魚川市)からトーキョーへ出てきた子猫の物語「ピアニャン」で、講談社児童文学新人賞を受賞し、講談社から『ピアニャン』を出版したことにちなみ、ニックネームをピアニャンにしています。
児童文学を書くことは、自分の心の中の子どもを解放することでした。「子ども時代を子どもで過ごさなかった人は本当の大人になれないのですよ」というのは、拙作『けむり馬に乗って~少年シェイクスピアの冒険』の中のばばちゃんの言葉。そんな人はいませんか。私自身、遊びたりなかったなぁ、もう一度、子どもを生きなおしたいなぁと思っています。
そんな思いでこのNPO法人むらまち三世代に参加しました。
また、糸魚川の歴史や文化を次世代に伝え、街のにぎわいを創出しようと「糸魚川の町屋文化を守り伝える会」を立ち上げ、代表としてイベントの度に帰郷しています。
児童文学に携わっていることから、「旧倉又茶舗」の座敷で絵本の読み聞かせや詩の朗読会、裏土間でろうそくを灯して怪談話をしたりしています。祖父母や親子での参加者が増えています。カルタや羽根つき、コマ回しなどの正月遊びの会は恒例になりました。店舗部分はギャラリーになっているのでアート展も好評でした。
築80年の町屋「旧倉又茶舗」は、今はまだイベント時のみの公開ですが、いずれは常時公開し、手押しポンプで井戸水を汲む体験をしたり、座敷で寝転びながらのんびり本を読めたりするお休み処にできればと思っています。